2021-07-08 17:54:05
|
コメント(2)
美姫は今日に蓮とデートの約束をしていた。
もともと、彼女はある事が原因で異性が苦手だ。けど、初対面時に美姫が落としたハンカチを拾ってくれた蓮には不思議と嫌悪感が湧かない。
友人の静香などからはからかわれたが。それでも彼と一緒にいるのは心地よかった。
だから、蓮と交際するのも受け入れたのだ。
美姫は彼と約束した日時に合わせてオシャレをして待ち合わせ場所にて先に来て待っていた。初めてのデートだからドキドキとする。緊張していた。
(蓮君。いつになったら来てくれるかな?)
そう心待ちにしていた。今の美姫は友人の雛菊や静香のアドバイスでリボンではなく、バレッタでハーフアップにしている。服は淡いクリーム色の膝を越した長さのワンピースでノースリーブだ。上には薄手の淡いピンク色のカーディガンを羽織っている。
サンダルもワンピースに合わせてクリーム色だった。全体的に派手さはないが清楚な雰囲気と言えよう。
「……美姫。ごめん。待たせたな」
「……あ。蓮君」
やっと蓮が少し慌てた様子でやってきた。けど美姫は嬉しくてにっこりと笑顔を浮かべた。怒ったりはしない。10分くらいは遅れていたが。
「約束の時間よりは10分遅れているけど。何かあったの?」
「いや。実はさ。途中で美姫におみやげをと思って。さっき、ケーキ屋で紅茶の茶葉入りのクッキーを買ったんだ。それを選んでいたら遅れてしまって。本当にごめん!」
「……え。私におみやげ?」
「うん。そうだけど」
美姫は思いも寄らぬ蓮の返答に呆気にとられる。まさか、おみやげを買うために遅れたとは。嬉しいような。恥ずかしいような。じわじわと顔に熱が集まった。
「……あ、ありがとう。けど。今度からは気をつけてくれると嬉しいかな」
「わかった。気をつけるよ」
蓮が笑いながら頷いた。美姫は顔を赤らめながらも紅茶のクッキーを彼から受け取る。慌ててカバンに入れた。
「それじゃ。行こっか?」
「うん」
美姫が頷くと蓮は手を差し伸べた。ドキドキしながらも彼の手に自分のをそっと乗せる。ぎゅっと握られた。美姫よりは大きくがっしりとした手だ。余計に心拍数が上がる。
「今日が初デートだけど。カフェに行ってみる?」
「うん。行ってみようよ」
「わかった。じゃあ、美姫の好きなのを頼んでくれたらいいよ」
蓮は爽やかな笑みで言う。照れ笑いで美姫は再び頷くのだった。
――終わり――
いかがでしょうか。蓮君と美姫ちゃんの初デート編でした。FSSですが。
もっさん、イメージ通りでなかったらごめんよ。
それではお読みいただき、ありがとう御座いました(_ _)
レンミキのこの初々しさったら、もう!(語彙死)
あぁでも、ひとつだけ物申したいことがあるとすれば、蓮は美姫と本当の恋人同士になってからは、「美姫」と呼び捨てにしているので、ちゃん付けはしないんです。
もし良ければ、暇すぎて頭が腐りそうになった時にでも思い出して、修正をしていただければ……